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腎臓内科

健診で腎機能障害を指摘されたらどうする?

こんにちは!あおい内科の青井です。

「健診で腎機能障害を指摘された」「クレアチニンの数値が高いと言われた」
そんな経験はないでしょうか。
今回は腎機の働きやクレアチニンについて腎臓専門医が解説します。

腎臓の働き

腎臓は人の体に2つある臓器で、血液の「ろ過装置」のような役割を担っています。

具体的な働きは、以下のとおりです。

  • 血液中の老廃物を体外に排泄する働き
  • ミネラルや水分のバランスを整える働き
  • 血圧をコントロールする働き
  • ビタミンDを活性化し、骨を強くする働き
  • エリスロポエチンというホルモンを産生し、貧血を防ぐ働き

腎臓の機能が低下すると、足のむくみや倦怠感、食欲不振、息切れなどの症状が出ることがあります。
健診で指摘される程度の腎機能障害では無症状のことも多いです。

クレアチニンとは?

クレアチニンとは、筋肉から作られる老廃物のひとつです。
腎臓からのみ排泄されるため、クレアチニンは腎機能を評価するための指標となっています。
腎機能が悪くなると、血液中のクレアチニンの数値が上昇します。

正常値は男性で0.6~1.0mg/dL女性で0.5~0.8mg/dLです。
男性のほうが筋肉量が多いため、正常値が高くなっています。

推定糸球体濾過量(eGFR)とは?

健診ではクレアチニンに加えて、eGFRという数値が記載されていることが多いです。
こちらも腎臓の機能の指標となるもので、クレアチニン値、性別、年齢などから計算します。
腎臓の中にある糸球体(血液をろ過するフィルター)がどの程度の血液を処理しているかを推定した値です。

eGFRは 60 mL/min/1.73㎡ 以上が正常値です。
Maxを100として腎臓の働きが何パーセントぐらい残っているか、と考えるとイメージしやすいでしょう。

加齢により2年で1 mL/min/1.73㎡ほど低下すると言われています。

健診の正確性

腎機能の指標となっているクレアチニンやeGFRですが、腎機能を正確に反映しているかというと、かならずしもそうではないケースもあります。

例えば、筋骨隆々としたボディビルダーのような方では、腎機能が正常でもクレアチニンの数値は高くなります。
逆に、筋肉量が少ない小柄な方では、クレアチニンの数値が正常でも腎機能が低下していることがあります。

その正確性は「75%の人で実測GFR±30%に入る程度」と言われています。

また、脱水などの影響で一時的にクレアチニンやeGFRが異常値になってしまっただけで、再検査をすると正常、というケースもよくあります。

健診異常をどう考えるか

健診で腎機能障害やクレアチニン高値を指摘された場合、その数値が本当に正しいのかを評価する必要があります。

具体的に何をするかというと、まずは血液検査を再検して、クレアチニンやeGFRの推移をみます。
筋肉量による影響が考えられるケースでは、シスタチンCという筋肉量の影響を受けない腎機能の指標を測定します。

また、健診にはクレアチニン以外にも腎臓に関連する項目があります。
血圧、体重、血糖値、HbA1c、尿潜血、尿蛋白などです。

これらの項目も併せて評価して、やはり本当に腎臓の機能が悪そうだぞ、となったら、超音波検査で腎臓の形を評価したり、詳しい採血検査や尿検査で腎臓の病気がないかを調べます。

まとめ

健診で腎機能障害やクレアチニンの異常を指摘されたら、ぜひ一度腎臓内科を受診しましょう。

様子を見てもいいものなのか、あるいは詳しく調べる必要があるのかをしっかり判断することが、腎臓を守ることにつながります。

当院でも血液検査、尿検査、超音波検査などの各種検査を行っておりますので、ぜひご相談ください。

青井 智典

あおい内科 副院長 腎臓専門医、総合内科専門医

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