慢性腎臓病(CKD)について
腎臓の働き
腎臓は体の腰のあたりに左右1つずつある、にぎりこぶしほどの大きさの臓器です。地味な印象を持たれがちですが、実は24時間365日働いている「精密なろ過装置」であり、私たちが生きていくうえで必要不可欠な役割を担っています。
- 老廃物の排泄:血液のクリーニング
- 腎臓の中には「糸球体」という毛細血管の塊があります。糸球体では、1日におよそ200Lもの血液をろ過し、尿を作っています。体内で作られる尿素窒素やクレアチニンといった不要な老廃物を、尿として体外に排泄しています。
- 腎臓の中には「糸球体」という毛細血管の塊があります。糸球体では、1日におよそ200Lもの血液をろ過し、尿を作っています。体内で作られる尿素窒素やクレアチニンといった不要な老廃物を、尿として体外に排泄しています。
- 水分・ミネラル・血圧の調整:体内の「恒常性」を維持
- 腎臓の中には「尿細管」や「集合管」という尿の通り道があります。尿細管や集合管では、ナトリウム(塩分)やカリウム、カルシウムなどのミネラル、水分のバランスを整えています。また、「傍糸球体装置」という部位では、腎臓に流れてくる血液量に応じてレニンというホルモンを分泌し、血圧のコントロールも行っています。
- 腎臓の中には「尿細管」や「集合管」という尿の通り道があります。尿細管や集合管では、ナトリウム(塩分)やカリウム、カルシウムなどのミネラル、水分のバランスを整えています。また、「傍糸球体装置」という部位では、腎臓に流れてくる血液量に応じてレニンというホルモンを分泌し、血圧のコントロールも行っています。
- 血液を作る司令塔:エリスロポエチンの分泌
- 腎臓は「エリスロポエチン」という造血ホルモンを分泌することで、骨髄に赤血球を作るよう命令を出しています。腎機能が低下するとこのホルモンが不足し、鉄分を摂っても改善しない「腎性貧血」を引き起こします。
- 腎臓は「エリスロポエチン」という造血ホルモンを分泌することで、骨髄に赤血球を作るよう命令を出しています。腎機能が低下するとこのホルモンが不足し、鉄分を摂っても改善しない「腎性貧血」を引き起こします。
- 骨を強くする:ビタミンDの活性化
- 食べ物から摂ったビタミンDは、腎臓で「活性型ビタミンD」に変化することで初めて、カルシウムの吸収を助け、骨の形成を促進します。腎臓の健康は、骨の強さに直結しているのです。
- 食べ物から摂ったビタミンDは、腎臓で「活性型ビタミンD」に変化することで初めて、カルシウムの吸収を助け、骨の形成を促進します。腎臓の健康は、骨の強さに直結しているのです。
慢性腎臓病(Chronic Kidney Disease:CKD)とは
慢性腎臓病(Chronic Kidney Disease:CKD)は、何らかの理由で腎臓の働きが低下したり、尿にたんぱくが漏れ出している状態が続く病気です。
CKDの診断基準
具体的には、下記の①・②のいずれか、あるいは両方が3ヶ月以上続いている場合にCKDと診断します。
① 腎障害の存在:尿検査で尿蛋白が出ている、画像検査で腎臓の形態に異常がある、など
② 腎機能の低下:糸球体濾過量(GFR)が 60 mL/min/1.73㎡ 未満
なぜ「3ヶ月」なのか?
腎臓の働きは脱水などで一時的に悪くなることがよくあります。しかし、3ヶ月以上改善しない場合には、腎臓の構造自体にダメージが蓄積しており、何らかの腎臓病がある可能性が高いためです。
日本の現状:成人の5人に1人がCKD
2024年の推計では、日本にはおよそ2000万人のCKD患者がいるとされています。成人の5人に1人がCKDという計算になります。まさに「新たな国民病」といえる数であり、決して他人事ではありません。
CKDの主な原因
かつては腎臓病といえば慢性糸球体腎炎(IgA腎症など)が主因でしたが、現在は糖尿病や高血圧による腎臓病が大きな割合を占めています。
- 糖尿病(糖尿病性腎症)
血糖値が高い状態が続くことで、腎臓の血管や糸球体がダメージを受けます。透析導入となる原因の第1位です。 - 高血圧(腎硬化症)
血圧が高い状態が続くことで、糸球体が徐々に硬化していきます。年々増加しており、透析導入となる原因の第2位です。 - 慢性糸球体腎炎(IgA腎症)
糸球体に免疫グロブリン(IgA)が沈着する病気です。蛋白尿や血尿が続き、糸球体が硬化していきます。早期発見や治療の進歩により減少していますが、透析導入となる原因の第3位です。
その他、加齢や肥満、膠原病、多発性嚢胞腎などの遺伝性疾患も原因となります。
CKDの症状・合併症
初期にはほとんど症状はありません。
病気が進行して初めて、足のむくみ、息切れ、倦怠感、食欲不振などの症状が出現します。
合併症には貧血やミネラルバランスの異常などがありますが、これらも症状はでにくいです。
そのため、症状はないけれど健診で腎臓の異常を指摘された、といって病院を受診される方が多いです。
慢性腎臓病の重症度
慢性腎臓病は腎機能(≒糸球体濾過量)と尿蛋白の程度で重症度が決まります。
糸球体濾過量(GFR)が下がるほど、尿蛋白が多いほど、重症となります。
慢性腎臓病が進行し、むくみや息切れなどの症状が強くなると、透析などの治療が必要となります。
(目安としてはGFR < 10 mL/min/1.73㎡)
| 原疾患 | 蛋白尿区分 | A1 | A2 | A3 | ||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 糖尿病関連腎臓病 | 尿アルブミン (mg/gCr) | <30 | 30~299 | 30≦ | ||
| その他の腎臓病 | 尿蛋白/Cr比 (g/gCr) | <0.15 | 0.15~0.49 | 0.50≦ | ||
| GFR区分 (mL/min/1.73㎡) | G1 | ≧90 | ||||
| G2 | 60~89 | |||||
| G3a | 45~59 | |||||
| G3b | 30~44 | |||||
| G4 | 15~29 | |||||
| G5 | <15 | |||||
診療の流れ
- 問診・検査
- これまでの経過を確認し、原因を推定します。
- 合併症の有無を調べます。
- 治療
- 慢性腎臓病の進行を抑制するための薬物治療を行います。
- 合併症がある場合にはその治療も行います。
- 減塩・運動・禁煙など、普段の生活で気をつけることについてお話します。
- 定期的なフォローアップ
- 腎臓病や合併症の進行をチェックします。
- 透析などの腎代替療法が必要となった場合には、適切なタイミングで総合病院を紹介いたします。
このような方はご相談ください
- 健診で「腎機能障害」「クレアチニン高値」を指摘された
- 健診で「たんぱく尿」を指摘された
- 高血圧や糖尿病がある
- ご家族に透析中の方がいる
- 足のむくみが気になる
まとめ
腎臓の働きは一度悪化してしまうと元に戻らないことも多く、早期から腎臓専門医の診察を受けることが望ましいです。
名古屋市中川区のあおい内科では、慢性腎臓病について、腎臓専門医が的確に対応いたします。
どうぞお気軽にご相談ください。





