腎硬化症
腎硬化症とは?
腎硬化症とは、主に高血圧によって腎臓の細動脈や糸球体が硬化し、腎機能が低下してしまう病気です。
腎臓には全身の血液が流れ込み、老廃物や余分な水分をろ過する働きがあります。
しかし、高血圧の状態が長く続くと腎臓の血管に負担がかかり、血管が硬く狭くなってしまいます。
その結果、血液のろ過装置である糸球体が硬化し、腎臓で十分な血液が処理できなくなり、少しずつ腎機能が低下していきます。
腎硬化症は慢性腎臓病(CKD)の代表的な原因のひとつです。
高齢化や伴い徐々に腎硬化症の方は増加しており、2023年時点では透析導入となる原因の第2位が腎硬化症です。
腎硬化症の症状は?
初期には自覚症状が出ることはほとんどありません。
病気が進行して初めて、足のむくみ、息切れ、倦怠感、食欲不振などの症状が出現します。
- 初期~中期
ほとんど無症状です。
蛋白尿が多く出ている人では「尿の泡立ち」がみられることがあります。 - 進行期~末期
足のむくみ(浮腫):排泄しきれない塩分や水分が体に溜まるとむくみが出現します。
息切れ・疲れやすさ:貧血が進行したり、体液が過剰になると出現します。
食欲不振・吐き気・かゆみ(尿毒症):老廃物が体内に蓄積することで出現します。
放置するとどうなる?
症状が特にないからといって腎硬化症を放置すると、徐々に腎臓の働きが低下していきます。
病気の進行スピードはゆっくり(数年~十数年かけて進行します)ではありますが、腎硬化症による腎機能障害は不可逆的なものですので、症状が出る頃には腎臓が荒廃しており透析が必要となってしまう、ということがしばしばあります。
また、腎硬化症がある方は全身の動脈硬化も進んでいることが多く、
- 心筋梗塞・狭心症・心不全
- 脳梗塞・脳出血
- 下肢閉塞性動脈硬化症
などの心血管疾患のリスクが高いことがわかっています。
そのため、腎機能だけでなく全身の健康を守るためにも早期発見・早期治療が大切です。
腎硬化症の診断は?
腎硬化症には明確な診断基準はありません。
長期間の高血圧歴があり、血尿を認めず、蛋白尿が多くない慢性腎臓病の方で、糖尿病性腎症やその他の慢性腎炎の合併がない場合に腎硬化症と診断します。
厳密に診断を確定させるには腎生検が必要ですが、腎硬化症は高齢の方に多く、腎臓が萎縮していて安全に検査を実施できないこともあるため、腎生検を行うことはあまりありません。
腎硬化症の方でも、蛋白尿が多い場合や、腎機能が悪化するスピードが早い場合など、典型的ではない経過をたどることもあります。
また、糖尿病性腎症などのその他の腎臓病と合併することも多く、正確な診断のためには腎臓専門医の診察を受けることが望ましいです。
腎硬化症の治療
血圧を適切な数値にコントロールすることが最も重要です。
診察室血圧 130/80 mmHg未満、家庭血圧 125/75 mmHg未満が目標値となります。
ただし、ご高齢の方や血圧の変動が大きい方は注意が必要です。
過度の降圧によりふらつきやたちくらみを起こしてしまったり、一時的な腎機能の悪化(急性腎障害:AKI)やミネラルバランス(電解質)の異常を起こしてしまうことがあります。
そのような場合は、どこまで血圧を下げることができるか(=忍容性があるか)をしっかり評価したうえで、診察室血圧 140/90 mmHg未満、家庭血圧 135/85 mmHg未満を目標にすることもあります。
また、貧血や電解質異常、浮腫など慢性腎臓病(CKD)の合併症への治療も必要に応じて行います。
このような方はご相談ください
- 健診で腎機能障害や尿蛋白を指摘された
- クレアチニンが高いと言われた
- eGFRが低いと言われた
- 高血圧がある
- 慢性腎臓病(CKD)が心配
- 腎臓専門医に相談したい
まとめ
名古屋市中川区のあおい内科では、腎臓専門医の立場から、腎硬化症の診療を行っています。
血圧コントロールだけでなく、尿検査、腎機能の推移、動脈硬化や電解質異常、貧血などの合併症を総合的に評価し、皆さまが元気に日々を過ごせるようサポートします。
腎臓や血圧について気になることがありましたら、ぜひお気軽にご相談ください。





